2019/04/26 19:09

すっかり日が長くなりました。

今は19:55、私の部屋の窓からは青空と、向かいの建物の日除けの庇が風に吹かれてひらひらとなびくのが見え、それが夏を思い起こさせます。
波のようだからなのか、浜辺のパラソルがはためいているようだからなのか、わかりません。

さて、今日はShirokaneではなく、広報担当(?)の私、Kaoが書いています。

さかのぼればこのブログ、初回以外はアクセサリー屋さんの香りがいっさい漂ってこないじゃないですか。
蛇口に銅メッキした話とか、洗濯機を全分解しちゃう話とか…
個人的にはこういうマニアックな(当人はマニアックとも思ってないみたいですが)ブログはとても好きですが、
鳥のブローチは?可愛い小鳥のイメージはどこに?!
と、いきなりの脱線に広報担当としては冷や汗が止まらないわけです。
私の可愛いアイテムをかき集めてブローチと並べて写真を撮ったり、私なりのフランス感を漂わせてみようとしていたのに…。

まあでもやはり人間うまく取り繕おうとしたり、身の丈に合わないものを装っても、そのうちじわじわとメッキが剥がれてくるもの。
ずいぶん後になって「てへへ、実は」となるより、こうして早い段階で素直にさらけ出したほうが気も楽というものです。
(というか、最初から装う気ゼロだったような気もしますけれど)


Shirokaneは現在、アクセサリーを作るためのアトリエをこつこつ整えています。
パリは家賃が高いのでわたしたちは小さいアパートに住んでいるのですが、ふたつある部屋のうち、居間と呼ばれていた方の部屋をアトリエに改造しています。
板材を切り、やすりをかけ、壁に穴を開け、釘を打ち、あれよあれよという間に快適な作業空間ができました。

アトリエが整い次第、新しいブローチ等をまた発表できるはず。
楽しみにお待ちくださいね。
そんなShirokaneに代わりまして、今日は私がブログを書きました。

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私とShirokaneさんの作品との出会いは、2014年の3月に私がパリから日本に帰る時にさかのぼります。
当時の私は、どういうわけか今までの人生の中でいちばん体も心も弱っていました。
色んなことが積み重なって、もう日本に帰っても誰にも会えないしどうやって生きていったらいいかさっぱり分からない、と袋小路に迷い込んでしまっていたみたいです。
Shirokaneさんはそんな私に、帰国の時にお守りをくれました。
それは銀を叩いて作った、しっかりと重みのあるペンダントでした。

こんな高価で大事なものもらうわけはいかない、と言ったのですがShirokaneさんは「きっとこれに触っていたら元気になるから」と言って受け取ろうとしませんでした。

日本に帰国してからずっとそのペンダントをして過ごしました。
眠れない夜にも、昼間外に出られなくてベッドにいるときにも、このペンダントを握り込んでいました。
Shirokaneさんに教えてもらったように、銀のペンダントは握っているとすぐに自分と同じ体温になりました。ぎゅっと握っていたら、銀がくにゃくにゃになって指の形になってしまうんじゃないかと思うくらい。
銀の表面には鎚で叩いたり磨いたりした跡があって、それを指で辿っていると荒野のことを考えたり、雪の山のことを考えたり、深海を泳ぐクジラのことを考えたりしました。
そして、いつの間にか眠ることができました。

Shirokaneさんの作るものが、私は好きです。
手の跡があって、熱がまだ残っていて、ずっしり重たくて、触っていると色んな景色が見える。
いろんな温度と匂いがしてくる。
たくさんの倍音が含まれていて、あちこちの感覚を同時にざわざわとくすぐられて、でも最後にはその「もの」にしっかり着地できる、そんな度量がある。

最初、私には少々荷が重すぎる、と感じることもありました。
なんというか、ものとしての存在感が大きすぎ、わたしのからだの方が負けてしまう気がする、というような。
でも触れているうちに、ちゃんと自分のものになるのです。
そして自分も、その「もの」が持つ土の匂いのなかに、すっくと立つことができるようになった。


Shirokaneさんのつくるものや、ものを作る姿勢を私はとても好きだと思います。
だから、SNSもやっていないし、宣伝のようなものもあまり得意ではないShirokaneさんに代わって私が広報を引き受けました。
かく言う私も宣伝とか売り込みのようなものがどちらかと言えば苦手なのですが、SNSをしたり、写真を撮ったり、こうしてよもやま話を書くのは好きなので。
それになにより、つくらずにはおれないShirokaneさんが、つくり続けることができるような手伝いをしたいと思ったのです。
というわけで、時々ここにも何かを書いていきます。
どうぞよろしくお願い致します。

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そして、そろそろ母の日ではないですか。(←広報だもの)
私は、銀の小鳥のブローチを母と父に贈りました。
男性にも女性にも、若い方にも年配の方にもお似合いになるブローチです。
(男性や年配の方には燻し銀タイプもすごくおすすめなのです)
お手元に届いた時と、一年後では銀の味わいが変わってくると思います。特にお手入れもいらず、長く可愛がっていただけるブローチです。
ぜひ、贈りものにお選びください。

ブローチは落とすのが心配…という方もいらっしゃると思いますので、ブローチを落とさない裏技も一緒にお送りします。

  

特に、カラー・タイプの鳥は残り少なくなっています。
お早めにお申し込み下さいね。
それでは!

(Kao)